2020年7月1日、すべての事業者にレジ袋の有料化を義務付ける法律が施行された。この少額のレジ袋有料化は、海洋プラスチックごみの問題を解決する手段としては、目立たないかもしれない。だがその一方で、刺激的なケーススタディを示してくれている。
レジ袋が有料化される以前、レジカウンターで自動的に提供されるそれを断るのは、環境意識の高い消費者にとって面倒な作業だった。残念ながら、レジ袋は買い物に付きものという当たり前は、中々変わりそうにはなかった。
しかし政府の号令で、時代の覇権は思いがけず速く、レジ袋からエコバッグへと移り変わった。レジ袋の有料化に伴い、小売店はすぐさま広報活動に乗り出し、エコバッグの持参という新しい常識を広めるため、看板を設置したり、レジのスタッフに「袋はいりますか」と必ず尋ねるように指導したりした。消費者も、この新しい生活様式にはすぐに慣れていった。実際、私が住む近くのスーパーマーケット、イオンでは、有料化が義務付けられてから、レジ袋の使用量が約 86% も減少したという。
環境問題を解決するには阻害が多いが、レジ袋の有料化は、社会的規範の変化を驚くほど効率的に促進できるという、明確な例となった。政府や著名人、社会的な力学など、権威と思われるものが標準を定めることで、一度転換点に達してしまえば、あとは流れに任せるだけなのだ。
昨年のレジ袋消費量の劇的な減少は、効果の面では焼け石に水だと言わざるを得ない。気候危機による壊滅的な影響を回避するためには、より多くの変化が必要だ。しかし、わずか10円の有料化がもたらした効果に見られるように、小さなアクションが重要な変化のきっかけとなるケースは、決して少なくはないのだ。
私が考える次のステップ:
① すべてのプラスチック包装を有料化する
② リターナブルびん(再利用できるびん)の活用と回収場所を増やす
③ ごみ区別に堆肥できる生ごみ類を加える
筆者: ロビン